スピードマスターを買おうと思って調べはじめると、いつのまにか「資産価値はどうなんだろう」という方向に気になってくることがあります。
わたしも同じでした。ほしいのは確かだけど、せっかく100万円前後を出すなら、あとで後悔しない選び方をしたい。そう思って、定価の動きや中古相場の傾向をひと通り見てみました。
今回は、スピードマスターの資産価値を「定価推移」「リセール率」「ロレックスとの比較」の三つの軸で整理してみます。『クロノヴィア』のトキオです。
定価は5年でどう動いたか
まず、スピードマスター プロフェッショナルの定価の動きを確認しておきたいと思います。2021年のモデルチェンジ時、310.30.42.50.01.001は737,000円でローンチされました。
その後、2022年に880,000円、2023年2月に935,000円と改定が続き、2024年には1,078,000円に到達しています。約3年で40%超の値上げが続いた計算になります。さらに2025年8月にも約3%の価格改定が行われており、値上がりのペース自体はゆるやかになりつつも、定価の水準は上がり続けている状態です。
定価が上がると何が変わるかというと、中古市場の「価格の床」が切り上がっていくという動きが起きやすくなります。買取相場も定価を基準に形成されやすいため、定価が高くなるほど中古が急落しにくくなる仕組みです。
リセール率の実態はどのくらい?
現行のスピードマスター プロフェッショナル(Cal.3861搭載)の買取相場は、状態が良ければ70万〜100万円前後が目安とされています。定価が100万円を超えてきた現在、状態次第では買取率70〜80%台に届くケースも出てきています。
旧型(Cal.1861搭載)については40万〜70万円前後が中心帯という傾向で、モデルや状態によって幅があります。付属品・箱・保証書の有無で査定が大きく変わる点は、売却を考えるなら見落としたくないところです。
買取率という観点では、ロレックスのスポーツモデルが定価超えになりやすいのと比べると、スピードマスターはおおむね定価の7〜8割台が現実的なラインかなと思います。「急に売っても大きく損しにくい」水準ではありますが、「値上がりで資産を増やす」という期待はやや薄めに見ておくほうが自然です。
ロレックスと比べるとどう違う?
よくある比較がロレックス デイトナとの対比です。デイトナは定価の2倍以上で流通するケースも珍しくなく、資産性という一点だけ見ればロレックスに分があります。
トキオデイトナは別格すぎて比べるのがしんどい
ただ、スピードマスターには「宇宙で使われた唯一の腕時計」という歴史があり、ブランドストーリーの強度はデイトナにも負けていません。ロレックスほどの値上がりは期待しにくいものの、極端な値崩れも起きにくい。そのバランスが、スピードマスターを「資産として手堅い一本」と見る人が多い理由だと思います。
限定モデルは別の動きをする
スヌーピーアワード(スヌーピー文字盤)やアポロ11号周年記念モデルなど、コレクター向けの限定品はまた別の動きをします。これらはリリース後も需要が衰えにくく、年数が経ってもプレミア価格を維持するケースが多いです。
ただ、限定モデルはそもそも入手が難しいことが多く、「資産目的で買おう」と思って後から探しに行くと、すでに中古価格が跳ね上がっていることも少なくありません。通常モデルと限定モデルでは、資産価値の動き方がかなり異なると思っておいたほうがいいです。
値落ちしにくい理由はどこにある?
スピードマスターが他のオメガモデルより値落ちしにくいとされる背景には、いくつかの要素が重なっています。
- 月面着陸で実際に使われた唯一の腕時計というブランドストーリーの強さ
- 定番モデルとして継続的に生産・販売されている安定した知名度
- 定価が継続的に引き上げられており、中古相場の床が下がりにくい構造
- コレクター・実用派・歴史ファンなど需要層の幅が広い
これらが組み合わさることで、「売るときに大きく損しにくい」という評価につながっています。ただし、オメガ全体としては流通量が多いため、ロレックスほどの希少性はありません。資産性を期待するなら、モデル選びと状態管理の両方が大事になってきます。
スピードマスターの資産価値、どう捉えるか
スピードマスターは「値上がりで儲かる時計」というより、「大切に使っても大きく損しにくい時計」として見るのが自然だと思います。定価の継続的な上昇が中古相場を下支えしており、通常モデルでもリセール率7〜8割台が目安として見えてきています。
限定モデルは別の動きをするので分けて考えること、また状態・付属品・型番によって査定に差が出ることは、売却を考えるなら先に押さえておきたいポイントです。
まず現行モデルの定価と、中古相場をChrono24や買取専門店のサイトで並べて見てみると、資産としての立ち位置がもう少し具体的にイメージできると思います。欲しいと思っている今が、一番比較しやすいタイミングかもしれません。











