デイトナを調べていると、途中で「手巻き」という言葉が出てきます。現行モデルと何が違うのか、ここで一度止まる人も多いのではないでしょうか?
こんにちは、『クロノヴィア』のトキオです。わたしもデイトナを年代順に追ったとき、まず気になったのが手巻きから自動巻きへ変わった境目です。
手巻きデイトナは単に古いデイトナではありません。初期の6239から最終期の6263、6265まで、現在とはかなり違う魅力を持った世代です。
手巻きデイトナとは
手巻きデイトナとは、腕の動きでゼンマイを巻く自動巻きではなく、リューズを手で回してゼンマイを巻き上げる初期世代のデイトナです。
1963年に登場したRef.6239をはじめ、6240、6241、6262、6264、6263、6265などがこの世代に含まれます。
4桁リファレンスの初期デイトナは、基本的に手巻き世代と覚えると、年代を追いやすくなります。
- 手巻き世代
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1960年代から1980年代後半まで続いた初期世代です。
- 代表的な型番
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6239、6240、6241、6262、6264、6263、6265です。
- 最終世代
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Ref.6263と6265が代表的な最終型です。
初代6239から始まった
現在につながるデイトナの出発点として知られるのが、1963年に登場したRef.6239です。タキメーターをベゼルへ配置した姿が特徴でした。
搭載されたのはバルジュー72系をベースとした手巻きクロノグラフムーブメント。初期にはCal.72Bなどが使われています。
いまではデイトナの象徴でもある名称も、最初から全個体へ同じように記されていたわけではありません。このあたりがヴィンテージらしいところです。
| モデル | 主な特徴 |
|---|---|
| Ref.6239 | 初期デイトナを代表するモデル。メタルベゼルを採用 |
| Ref.6240 | ねじ込み式プッシャーを採用した過渡期のモデル |
| Ref.6241 | 黒いプラスチック系ベゼルとポンプ式プッシャーを採用 |
| Ref.6262 | Cal.727を搭載した短期間生産のモデル |
| Ref.6264 | Cal.727と黒いプラスチック系ベゼルを組み合わせる |
| Ref.6263 | ねじ込み式プッシャーと黒いベゼルを採用 |
| Ref.6265 | ねじ込み式プッシャーとメタルベゼルを採用 |
6263と6265が最終型
手巻きデイトナを知るなら、最後まで残ったRef.6263と6265は外せません。どちらもCal.727を搭載する代表的なヴィンテージモデルです。
ここでわたしが一度止まったのが、「6263と6265は何が違うのか」という点でした。型番は近いのに、写真では印象が少し違うんですよね。
大きな違いはベゼルです。6263は黒いプラスチック系ベゼル、6265はメタルベゼル。ムーブメントだけ見て選ぶと、この差を見落とします。
トキオわたしなら、まずベゼルを見ます
- Ref.6263は黒いプラスチック系ベゼルが特徴
- Ref.6265は金属製のタキメーターベゼルが特徴
- 両モデルとも手巻きCal.727を搭載する最終世代
Cal.727も見ておきたい
外観ばかりに目が向きますが、手巻きデイトナでは中身も面白いところ。後期モデルを支えた代表的なムーブメントがCal.727です。
Cal.727はバルジュー72系をもとにロレックス仕様へ改良された手巻きクロノグラフです。6262、6264から6263、6265へ受け継がれました。
後期の6263や6265では毎時21,600振動とされ、初期の72系から改良が進みました。手巻き世代の成熟期を支えた機械と考えると分かりやすいです。
自動巻きとの境目は1988年
手巻きデイトナの時代は1980年代後半で一区切りを迎えます。1988年に登場したRef.16520から、デイトナは自動巻きの時代へ移りました。
Ref.16520にはゼニスのエル・プリメロをベースにロレックスが手を加えたCal.4030が搭載され、ケースも40mmへ大型化しました。
現行デイトナももちろん手巻きではありません。ロレックス公式では現行Cal.4131をパーペチュアルローターによる両方向自動巻としています。
| 世代 | 内容 |
|---|---|
| 手巻き世代 | 6239などの4桁リファレンスが中心 |
| 自動巻き第1世代 | 16520/Cal.4030 |
| 自社ムーブメント世代 | 116520/Cal.4130 |
| 現行世代 | 1265xx系/Cal.4131 |
なぜ手巻きが注目される?
みなさんが気になるのは、古くて手間のかかる手巻き式が、なぜ今もこれほど注目されるのかというところかもしれません。
理由のひとつは、現行品では味わえない年代ならではの仕様です。37mm前後の小ぶりなケースや樹脂風防など、現在のデイトナとは雰囲気が違います。
さらにポール・ニューマンと結びつくエキゾチックダイヤルなど、希少な仕様も存在します。ただし同じ型番でも文字盤や年代で評価差はかなり大きめです。
中古で見るなら個体差に注意
手巻きデイトナを購入候補として見る場合、現行デイトナと同じ感覚で価格表だけを比べるのはおすすめしにくいところです。
文字盤、ベゼル、プッシャー、リューズ、ブレスレットなど、長い年月の間に交換されている可能性があります。オリジナル度による差も無視できません。
実際、中古の6263は過去の販売例でも数百万円台から確認できますが、希少文字盤などでは別世界の価格になります。ここは勢いで決めたくないんですよね。
手巻きデイトナの選び方
わたしなら最初に型番を決めるより、「どの世代に惹かれているのか」を見ます。初期6239と後期6263では、楽しむ部分がかなり違うからです。
日常で気軽に使いたいのか、ヴィンテージとして年代や部品まで楽しみたいのか。ここを先に考えると、価格だけに引っ張られにくくなります。
とくに初めて見るなら、型番、ムーブメント、ベゼル、プッシャーの4点から比べてみてください。後から迷い直す時間をかなり減らせます。
手巻き世代から見ると面白い
デイトナの手巻きモデルは、1960年代から1980年代後半まで続いた初期世代です。6239から6263、6265まで追うと、現在の形へ近づく過程がよく分かります。
一方で、古い時計なので同じ型番でも状態や交換部品、文字盤の仕様による差があります。販売価格を見るときは、型番だけで比べないほうがよさそうです。
まずは気になる6239、6263、6265の写真を並べて、ベゼルとプッシャーを比べてみてください。そこから好みの世代を探すと、手巻きデイトナがぐっと分かりやすくなります。












